monzansiの観てきた!クチコミ一覧

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兵卒タナカ

兵卒タナカ

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

それは実在の国か、幻か。いや、虚構とか現実をハナから規定しないのだ。
主人公タナカの純粋な故の、その傾けが反転したとき、裁かれるべき者は誰という「タブー」が表出する。

海辺のメロ刑事

海辺のメロ刑事

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2023/11/08 (水) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★


名だたる刑事ドラマはあれど30年はこれを越える作品は世に浮かばないだろう。それは言い過ぎか。けど、緻密な構成とエスプリの数々には畏れ入った。
※本日追記

フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2023年のモテギモテオは進化し過ぎだ。
男たちの欲望を晒し、現実と擬似の境界線を取り払う。その答えが明らかになっても。
システムを得意とするのが劇団ライオンパーマだ。やはり良さは活かされている。例えば、「レンタルビデオショップ」というシステムを逆手にとり笑いに変える。見ず知らずの大人がシステムで仲良くなったり、または喧嘩する。
本作は人生最高のモテ期を体験できるというシステムを作り上げた。それは架空であり、そこに実在していたのだ。

初演に続く観劇でも、ふと思う。「破滅とは何か?」

青春日和

青春日和

都立王子総合高校演劇部

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2022/10/03 (月) ~ 2022/10/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

常々思うのだが、物事には適正水準というものがある。それは身の丈の封建を肯定するわけではないが、高校演劇におけるホール公演が仰々しく感じさせるのも事実だろう。ひっきょう、これくらいの「ハコ」はリアルの青春を紡ぐには実に相応しかった。
3年ぶりの外部向けという王子総合高校演劇部。北区は故つかこうへい氏のホームだったから演劇が盛んである。
何ともコンパクトな、常識的な舞台だった。学年に誰もが羨む美少女がおり、その生徒に一目惚れする男子生徒というシナリオはいいとして、恋愛劇ではない。ありふれたローテーションに潜む同世代的共感でも呼ぼうか。私にとってそれは「気遣い」だった。つまり、「好き」を声高に訴えるのもそうだし、その一言を控えるのもまた、そうに違いない。

ネタバレBOX

ハリセン痛そうだった。笑
大豆生田家の庭に咲く花は薔薇かスミレか!

大豆生田家の庭に咲く花は薔薇かスミレか!

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この劇団には果敢な水しぶきを飛ばす存在感抜群の支流が付きものですが、その筆頭に挙げられるのが大豆生田家でした。しかし、彼ら一家には申し訳ないものの、そこは「スピンオフ」形式なのだと気楽に待ち構えていました。あぁ。裏切られた。内容の濃さに。
名だたるヒットメーカーが取り組んできた「名家」のエッセンスを、これでもかと。身内争い、浮世離れ、禁じられた交際、それらが気品と共に、しかしコント出身(?)の矜持を忘れることなく共存しているのです。

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4桁の観劇人生の中で「ラビット番長」の将棋シリーズはベスト5にランクインしてくる。それだけに『コマギレ』は愉しみにしていたのだが、いやはや、上演作を変更しても力作だった。

歌姫・ネバーダイ! in deep

歌姫・ネバーダイ! in deep

ライオン・パーマ

萬劇場(東京都)

2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場前の「手洗い」。そういえば以前から水道の栓っぽいのが備えられていたが、この活用法があったとは!そして、いざ席に座ると、そこは光触媒でシールドされた空間で覆われている。「ここまでやるか!」、いや、生命と演劇を一義に考える日本で最も安全だろう萬劇場というやつである。
ライオンパーマといえば、前回は訪れた客が予約名を紙に書く無音受付の試みがみられたが、我々の予想を五段階くらい飛び越えていく鉄壁ぶりは健在だ。もう一度述べる。ライオンパーマを観ることは自宅の次くらいに安心だ。


「ネバーダイ!」。パッと聴いた感覚だと方言である。妙訳は「ずっとずっとだい」。たしかに、このご時世、ライオンパーマの女性(※役の設定上)に対する扱い方は九州男児なところがある。けれど、「歌姫」の物語を観れば、そういう性の分担の中だからこそ輝く讃美があったってよいのだと改めて思う。みな、たくましい。
滝村千歌役の彩香はシンガーだ。何曲か生歌を披露してくれるのだが、話の流れと見事に連動している。違和感がない。ミュージカルなどでは「プツン」と途切れてしまいがちだが、なんとなく、彩香の場合は精神世界に惹きつける。
意外だったのは加藤だ。ボケない加藤にかっこよさを、凛々しいシルエットを、その目で目撃した私たちは幸運者であろう。

さて、上野ストアハウスにおける公演時の感想は移ろい巡り合う群像的な「縁の再生」だったが、今回は千歌をめぐる同時代人の「変わらぬ絆」がメインだったようだ。もちろん、通常営業のハードボイルドは影を薄め、コメディも控えめであったものの、だからこそ時折のぞくコンセプトは調和していた。おそらく、月に何回か、ふと、あの光景を遡ることだろう。笑いと感動が同居して。

※追記あり

犇犇

犇犇

TAAC

駅前劇場(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まず、久しぶりにシモキタらしい良質なストリートプレイを観ることができたことに感謝したい。細部まで技巧した空間が、「素」にはない説得力を有する。
10年以上の刑期を終え、家族の元に舞い戻ってきた加害者の「兄」を迎え入れる弟と妹の、交差せずに各々「変化」していくプロセス。しきりに配達労働の話題がのぼっているが、実は、家庭内ではなく、現代社会が影の主役というべきだ。「兄」に対する一直線ではなく、広い意味での「誰か」が関係性を決める。そして、潜んでいた、矛盾していた厚底が良くも悪くも開花するのである。だから厳密な意味での「変化」でもない。そこを部屋の一室で描き通したのが見事だった。

ネタバレBOX

近所の青年の、歳にしては幼いキャラクター、社会支援家の胡散臭い人物の、止まらない知識。それらが、おどろおどろしい加害者家族を相対化させつつ、しかし、部外者も内外化することになる。私は事件の詳細を明らかにするべきだとは思う。また、妹の生活環境、青年との馴れ初めがみえてこない。戯曲的雰囲気に執着するばかり、観客の理解に不親切ではなかったか。
山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ある地方都市における「山姥伝説」の話だが、全体を通して戯曲的で、なんともいえぬ吸引力を感じられた。

超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フェイスガードを着用しての観劇。(湿気の関係か)序盤はクリアに表情を接することが叶わず、負担はある。しかし、「対話の妙」を構築していき、気が付かないうちにトランス状態にもっていくあたりが秀逸だと思った。

「役に立たない超能力」、拠り所のないイマドキ若者たちの笑って手に汗握る奮闘劇。

たちきり

たちきり

ハコボレ

王子小劇場(東京都)

2021/03/09 (火) ~ 2021/03/09 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

個人的な話をして申し訳ないが、落語と演劇をハイブリッドする題材を目の当たりにした初体験は高校演劇だった。小ネタで「日大タックル」が披露されていたから、あれは、2018年ごろだろうか。作者兼主演は生徒だった。かなり緊張した面持ちの青年が、落語のマクラを触媒にし、「像」へ立体化させていくのだった。海のものとも山のものともわからぬが、やはり、落語は境界線の芸術である。得体の知れなさは都合がいい。本来的な落語も、お客と共有されていた空間が、たった1秒で江戸に迷い込むことがある。そこでは噺家の意識が時の流れの境界線となっている。しかし、聴く側は、噺家を漫然と「観ている」わけではなく、ごく自然に、その意識の一部を戴いているからだ。「落語を聴いてきた」という言い回しになった。本劇団は境界線の芸術を、試行することを、本領としているのだろう。
話は脱線するが、演者を幼く感じられた。貶しているのではない。そんじゃそこらの学生劇団より若々しさを帯びており、数年前に鑑賞した高校演劇との点と点が繋がった所以である。男2人だったことも、熱量においてはこの上なく機能していたように思う。

ネタバレBOX

一席講じる青年Aを、青年Bが訪ねる。彼らは高校時代、漫才をしていた仲だった。そして、別々の道を歩み、青年Aは落語家になる夢を諦めて就職が内定し、青年Bは刑務所にいた。
黒い誘惑をけしかける青年Bの、悪びれない様子は、序列を纏っている。そして、これが「かけ合い漫才」となる。しかし、「笑い」のキャリア論を二人で議論するうちに、このような関係性はいともたやすく終幕する。受け身だった青年Aが主題になる。
ラストシーンを書くのは憚れるが、境界線の芸術を、「メタ」という演劇的手法で今風に言えばアップデートしている。意識の深みにハマってしまった、と、私は言い換える。
絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★





なんて言うか、これは許される笑いだよな。 
途中、冗長に感じちまったり、今ひとつ しっくりこない種明かしはあるけどよ。まぁ、本当にこれさ、うん、笑い納めの大役を務めたぜ。バラエティー番組を観ているような気にさせるよな。けど、それがチープじゃないのよ、心から楽しめるっていうかね、うん。
オジサンたちの論争は無敵よ。

♭1~役者への道~

♭1~役者への道~

ThreeQuarter

JOY JOY THEATRE(東京都)

2020/10/25 (日) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

特殊な状況下で稽古も大変だったと思うが、つか作品に限ったとき、劇団史上ナンパーワンのクオリティであると贔屓目なしに思う。

ゲバルトローザ

ゲバルトローザ

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2020/10/29 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★


学園紛争の1960年代。現代日本の視点に浸りつつ、 狂わしくも愛おしい「あのタイムカプセル」を目の当たりにする。やや誇張かもしれないが、つかこうへい以来ではないか。伝説的とも言える内容だった。

機動隊員の役が掠れ声なのだ。稽古のし過ぎで声を潰したのか、役柄なのか、今ひとつ断定しえないが、兎にも角にも熱量に感化される。
もちろん、雰囲気を重んじるあまり、台詞が聴き取れなかったのは事実だ。初心者向けの構成ではあるまい。

You'll Never Walk Alone

You'll Never Walk Alone

青春事情

ザ・スズナリ(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

いやはや。FC東京公認でもよいのではないか。それくらい、汎用性が高かった。実在する味の素スタジアムの観客席で応援する3組を、それぞれの物語から描いていくが、群像劇に見えなくもない。なぜか。やはり大観衆のサポーターという匿名性からだと思う。そこに色付けしていく快活さが魅力である。

観客というのは「観る」側であるが、ここでは客体ではなく主体となっている。サッカーの試合展開を感じられる臨場感は、彼らの応援やアナウンスによってものの見事に再現されている。

タバコの害について〜追加公演アリ〼

タバコの害について〜追加公演アリ〼

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2020/09/07 (月) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★






杉並区の助成を受けての公演らしいが、良い意味で役所好みの作風だ。原作はチェーホフで古典ということになるが、経過を感じさせず、スリリングで気品高く仕上がっていると思う。



私の鑑賞した回は客席の数が3人であった。ウィルスの蔓延を防ぐためだろう。それに対しての「一人芝居」だから、やる方も気を張るし、観ている方も気を張る。

壇上に「タバコの害について」と掲げられており、講演会を模したつくりになっている。いかんせん、「インテリゲンチャ」風情の男性が学問とは関わりのない私事を身振り手振りで訴えるシーンの連続は不条理だ。


終演後の「ダメ出し」で明らかになったのだが、長い円筒で秘密を嘆くシーンすら、細かく演出されている。ということは客席のパターンだけ、バリエーションを用意している、 ということだ。さらに興味深かったのは演出家の絶対性だ。ある意味、正統なのだが、的確な一言で役者がそれに試行錯誤する即応には良い意味で脱帽せざるを得ない。ロングランにもかかわらず、毎終演後こうした調整をしているのだとすれば、やはり双方を労わずにはいられない。

私たちは全力でホラーに挑みます!

私たちは全力でホラーに挑みます!

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★





やっとノーマルを目の当たりにした。もちろん、劇場という迷宮に入るまでは、これでもかというくらいの対策をしている。マスク義務化、体温測定、発声しなくて済むチケット発券システム。

他の劇団だと「表現」が腐りかけても、妥協してしまう。だが、演劇とは世界を作っていく行為なのに、およそ不自然なマスクが介在して、そこを都合よく省ける能力が私たちにはあるだろうか?アントンチェーホフの戯曲に白い布を身につける人々がいただろうか?これでは非日常の時間軸なぞ、現実に取って変わってしまうだろう。


マンネリズムを避け「ホラー」と銘打ったものの、さすが、そこはライオンパーマだ。一筋縄ではいかない。いや、深慮すれば、タイトルに仕掛けが施されていたのかもしれない。逆さから読めば(読んでいないが)「ラホー」だ。響きからして軽やかなこと。これぞライオンパーマだ。ありがとう。


さて、冗談はこの辺にして、オムニバスが絡み合う 快感。むちゃくちゃに、理路整然に、責めてくる。そんな2時間だった。



良い話で終わらせばよいのに、それでよしとしない、褒められない捨て身。「禁断の関係」みたいなものに熱くなったと思ったら、さらなる どんでん返しが待っている。いや、それすらも返すのかもしれない。あぁ。何なのだろう、この初秋は。





ドリンクバーの向こう側、やさしいキスをして

ドリンクバーの向こう側、やさしいキスをして

劇団武蔵野ハンバーグ

シアター711(東京都)

2020/08/15 (土) ~ 2020/08/16 (日)公演終了



まぁ、ぶっ飛んだナンセンス劇を核としているので、むやみやたらな批判はやめておく。チームワークの良さ、というか、個々の怪人ぶり、この人たちならいくらでも題材を調理できるだろうな、と思った。

竜宮城に見立てた客引きのシーンなどでは、オムニバス形式の面白さが際立っていたと思う。冒頭、あれほどあっさりしていた店員役の俳優が、多弁で別の意味の中身のなさを演じていたことが、「反対する概念とは何か?」を提示している。哲学的に。


残念だったのは固有名詞を使い過ぎたことだ。インパクト薄れてしまう。絢香のくだり、といい、相当 腹抱えて笑ってもいいようなことをいってるのに客席が今ひとつ温まらなかったのは そのせいだよ。


私が愛したスパイ -The Spy Whom I Loved

私が愛したスパイ -The Spy Whom I Loved

劇団ハッピータイム

北池袋 新生館シアター(東京都)

2020/08/12 (水) ~ 2020/08/16 (日)公演終了

満足度★★★


・前半、安っぽい2.5次元的な劇に感じてしまったが、中盤につれ伏線が回収されており、強いメッセージ性。

ドタバタコメディなのだが、身内で用いる略語が想像力を膨らませてくれた。つまり、影絵のように国家機関を投影していたのである。そこは言葉の持つ力だろう。


・新型ウィルス対策で透明のフェイスシールドを着用しており、マスクとは異って違和感はない。表情が見えるのがよい。


『ブラックアウト』

『ブラックアウト』

singing dog

雑遊(東京都)

2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★







このご時世に演劇をしたことを褒めたい。「自分を自分で」でじゃない。私が、だ。

しかるに、前説を務めた主演役者(役名・鈴木)がマスク姿だったが、奥まで聞こえるように声を発すると赤ら顔になり、よせばいいのに「換気」と称してグルグル回るものだからぶっ倒れ!?リアルに患者に見えてしまった。

それはさておき、アルコール依存症を治療する精神科病棟の一部始終と向き合う本作は、「揺れ」を見事に描いている。そこにいるのは特殊な人間たちではない。意志力に欠けるわけではない。ところが、知られていないことに、酒を前にして彼らを苦しめるのが「回復」である。
どうも依存症というのを「辛くてもやめられない」といったように考えてしまうようだが、現実は違う。依存で落ちた能力だったり感情だったりを「一時的に」取り戻してくれるのだ。だから、薬物などの例をとるまでもなく、依存症は「正常への渇き」がもたらす作用なのである。

逆にいえば、最も外見からして危ないのは「絶った直後」だ。そして、治るのは一生涯訪れない。この恐怖から来る本能的ストレスと、「一時的に」社会に適応する理性が、依存症をループにする。



運び込まれた鈴木の人柄は「穏やかなオジさん」だ。酔って暴力をふるうなど、およそ想像つかないくらい、平凡すぎる平凡だ。まぁ、志村けんに似ていることから「変なオジさん」に見えなくもないが(笑)


患者役の役者が本当のアルコール依存症「だった」らしいが、体験談として語るシーンは渦中にいた者しか吐けない「壮絶さ」であったと思う。まるで統合失調症のようだ。けれど、終わりがないことが依存症の正体だから、しっかり治療して退院した患者が みんなハッピーエンドとなるわけではないだろう。


「専務」というあだ名で呼ばれていた患者は赤ら顔だったが、長期入院するわりに、腕が日焼けしていた。私は「色白さ」との対比が時間を経過付けてよい、と思ったが、確かにアルコール漬けというか、不可逆的に元には戻れない可能性はあるのかもしれない。


患者たちは毎朝、看護師が支給する、アルコールと反応して強い発作をもたらす薬を飲まされる。つまり、「不自由の身」だ。手を出せば自滅となる。他人を傷つけているわけではない。犯罪行為をしたわけではない。壊れるのは自分だ。観客との分断がそこにある。

彼らは究極の弱者である。


隣の日高屋で瓶ビールを注文した私が真剣に述べることじゃないか、、、


※ちなみに 鈴木の過去を掘り起こしてドラマチックしてもいいかな

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