赤い金魚と鈴木さん~そして、飯島くんはいなくなった~ 公演情報 赤い金魚と鈴木さん~そして、飯島くんはいなくなった~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★


    うんざりするほど平凡な風景に、混じり始める不協和音。過去の連続殺人事件。残虐な連続殺人鬼はどういう人物だったのか。そして殺人犯の家族であるということはどういうことか。

    急速に緊張感が高まり、観る側も身じろぎすらできなくなっていった。

    いくつもの重い課題を抱えつつ迎えたラストシーンでの殺人犯の弟と、知らずに結婚したその妻の会話が鮮やかだった。

    怒っても迷っても投げ出すのではなく、やるせない現実に眼を背けず、逃げ出しもせず、現状を見つめ考えようとする。平凡な人間の中の強さが描かれて、観る者の胸にある種の安堵感を与えた。

    中盤の展開からは予想外の後味のよさがうれしく、同時に重い課題も忘れることなく抱えたまま、劇場をあとにした。

  • てっきり東京乾電池的なゆるい喜劇かと思ったら、ヘビーな内容にビックリ。
    こういう人間の暗黒面を見せてくれる芝居は好きです。

  • 満足度★★★★★

    夫婦ののんきな会話から始まって、一部屋のセットが時間と場所を変えながら3組の夫婦の部屋に入れ替わり、一人二役でちよっと戸惑うものの、終盤へ向かっていつの間にか深刻でブラックな展開へ突き進んでいくという、脚本の素晴らしさと、俳優さんたちの的確な演技が組み合わさった傑作でした。。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/03/05 (日) 14:00

    九十九ジャンクションはすべて見させてもらってます。今回も社会派の見応えのある内容でした。
    確かに、近くにいたら。。。。と思うけど、本当に難しい問題ですよね。
    一般の人は別れに繋がるんでしょうね。
    でも、最後の一生懸命考える、別れることなく、妻や子供が決める、考える。それに少し救われたように思いました。答えはわからないけど。。。
    次回も期待しています

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/03/03 (金)

    楽し気なフライヤーからは想像がつかないストーリーでした。昔より増えている意味のない犯罪、それに関わる人について考えさせられました(考えても答えが出ない気がしました)。役者さん達の演技力が高く、怖さがじわじわ来て、どんどん惹き込まれました。好みは分かれるかな・・と思いましたが、何とも言えない重さを感じる舞台で、見応えありました。

  • 満足度★★★★★

    九十九ジャンクション初見。心の闇がジワジワ来る緊張感が好き。ベテラン俳優による見応えあるドラマ。

    ネタバレBOX

    妻3の告白、感情の無い声のトーンがリアルと感じた。
  • 満足度★★★★

    チラシの印象とは真逆。もちろん共感できない部分はたくさんありますが、犯罪加害者の家族や周りの方の気持ちは痛いほど伝わりました。観劇後の感慨深さは他ではあまり味わうことができないものでした。「いい意味で」です(笑)続編のようですが、この1本でも面白かったと思います。

  • 満足度★★★★

    「そして、飯島くんしかいなくなった」の続編という位置づけの本作。
    よく出来ていましたが、当日パンフに“『2』映画は1作目を超えられない、というのが定説ですが・・・。”と作者の記述があるように、“ストーリー”、“インパクト”共に「そして、飯島くんしか・・・」を超えられなかった印象が・・・。
    ですが、とても惹きつけられた作品でした。

  • 満足度★★★★

    コメディではありません。怖いです、重くズシーンときます。

    ネタバレBOX

    第二の被害者は殺人犯の家族たちで地獄が待っています。
    欲求を抑えられなくなったら人間が辿り着いた先は・・・。
  • 満足度★★★★

    まず、小動物虐待の話が出てくるので苦手な人にはつらいかも・・・
    最初まったりクスクスと、中盤はあれっ?どうゆうこと??となり
    終盤には眉間に皺が出来るほど集中していた。
    見終わった帰り道、自分が当事者ならどうする、どうしたいだろうかと思い巡らせた。

  • 満足度★★★★

    妻2のセリフが耳に焼き付いた。

  • 満足度★★

     このプロジェクトは「本間さんはころばない」を観てとても好きになった。
    筆者にとって演劇という物は、何かしらを世の中に提示し、大まかにいえばそれを教訓として対処しよう、そこまで至らなくても心に留めようという表現法である。
     本作の扱う題材には困惑し消沈するばかりであった。
    「考えよう!」…何を???って感じだった。
     ちょっとした救いの小エピソードは語られていたものの、そんな物は限りなく虚ろだ。
     

    ネタバレBOX

    衝動殺人。
    昨今、サイコパスもそうだが先天的な脳の障害(?)がクローズアップされてきている。
    あなたの隣人が、あなたの家族に「衝動殺人」の種をもつ人が居たらどうしますか?
    そういった問いかけもなく淡々と進行する物語が、この社会の怖さを再現しているのだろうが、それが何になるのか?
    そんな怖いことが存在しているのですよ! そうですか~、それで?
    って感じで、テレビのしかもスカパーやCATVのドキュメンタリー番組で観る分には
    いいのかも知れないけど、劇場でこれはないなとため息しか出なかった。
  • 満足度★★★★★

    見事なまでの不穏・嫌悪という負の感情を抱かせる怪作。それは単にヘイト・クライム(憎悪犯罪)でないところに真の怖さを覚える。当日パンフには、3組の家族が紹介されているが、その表記は夫1.2.3、妻1.2.3などという数字であるが、劇中ではしっかり姓・名で呼んでいる。この長いタイトルの種明かしになるため、敢えて形而上の表記にしているところに作者(土屋理敬氏)または演出家(後藤彩乃女史)のしたたかさを感じる。
    (上演時間1時間35分)

    ネタバレBOX

    物語は、ホラーでもサスペンスとも少し違うし、その描き方もスプラッターでもバイオレンスでもない。別人として生きる男、その家族(男の弟)の苦悩。過去を隠して生き続けること、その血脈への慄きが切ない。また若い女(後妻)の心の奥底にある狂気が静かに牙をむく。それは決して社会や家族、周囲の人達に対する怒りや不条理に対する抑制された感情から生まれたものではない。その不可解さは「解らない」という台詞の凝縮されている。

    舞台美術は、部屋の一室(リビング)で、3組の家族の住空間を同じに見立てつつも、その異空間をしっかり演出している。フローリング、そこにハの字型に3壁面を作り、それぞれの間を出入り口としてその先に他の空間があることを想像させる。その壁前に食器棚、飾り棚(上には電話兼FAX)が置かれている。上手側にソファー、中央にダイニング・テーブル、椅子がある。3組の家族は、ハウスクリーニングを営む家族1、同じマンションに住む2組の家族2・3(息子同士が中学の同級生)。そして家族1に住み込みで働いている男の弟が、家族2の夫という関係で物語は展開して行く。
    このハウスクリーニング店と分譲マンションの2つの場所で流れる時間と運命…知ってしまった衝撃の事実。これから先の人生をどう乗り切っていくのか興味を惹く。

    以前マンションで猫の惨殺事件が起きている。そして家族2の部屋ベランダに同じように猫の屍骸が...。それを契機にハウスクリーニング店で働く男の過去、家族2の夫の苦悩が露になり、夫々の家族崩壊が始まる。意外な人物が犯人でその動機が不可解。それだけに不気味で後味が悪いが、逆に言えばそれだけ脚本、演出そして演技が巧みということだろう。

    なお、少しネタバレになるが異空間であるがハウスクリーニングの話とマンションでの話は時間軸が1年ずれている。またタイトルとサブタイトルの名字は犯人を示唆している、という凝らしたもの。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    社会派
    素晴らしい!!チラシに惑わされてはいけません。

    ネタバレBOX

    生き物の命を奪ってみたくなる人がいること、実際に少年のときに重大犯罪を犯した者の今、そして、その少年の犯罪者家族の生き様が絡んだ秀作。

    ちょっと名大女子大生を想起させすぎる点は引っ掛かりましたが、久し振りで、考えさせられる、しかもファンタジーでない現実社会を描いた緻密な筋立てのあるお芝居を観た感じでした。

    年配の人を年配のプロの役者が演じることによる現実味を感じたのも先月の『ダークマスター』以来で、ここも小劇場ですが、小劇場に通い過ぎる弊害も若干感じました。

    恨みによる殺人願望は昇華できても、生き物の死ぬところを見たいという願望はなかなか消すことができないというのが怖いところでした。

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