ほとびる屋上 公演情報 「ほとびる屋上」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 3.7
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「境界を超える」


     高知県西部の方言「幡多弁」でドラマを紡いできた劇団による新作である。

    ネタバレBOX

     やまか製麺の社長である山中克也(石住昭彦)とハナオカ食品の社長の花岡伸夫(や乃えいじ)は、幼馴染でかつては商品を共同開発した仲であったが、仕事の行き違いで絶縁している。二社は同じ階数の自社ビルを隣接しており、屋上を介して互いの敷地に行き来できるため、互いに顔を合わせたら嫌味の応酬合戦がはじまってしまう。それぞれの社員同士も交流が禁止されているのだが、やまか製麺の事務・濱口日和(東千紗都)とハナオカ食品の工場作業員・大島清香(竹田モモコ)、福田ゆき恵(高橋映美子)は、社長の目を盗み四方山話に花を咲かせている。やまか製麺は、社長の克也の調子が優れない日が続くため、息子の倫太郎へ引き継ぎがままならずフラストレーションが溜まっているらしい。社員同士の交流が詳らかになるにつれて、少しずつ二社の距離が縮まっていくのだった。


     隣接しているものの行き来が禁じられている二つのビルの屋上へ、階段扉から俳優が出入りするという空間の制約が、作品に一定の緊張を与えていてまず面白い。幡多弁の台詞は荒々しさのなかに優しさを感じるもので、特に山中と花岡の対立と和解のドラマでうまく生きていた。やや自意識過剰なゆき恵や、どこか抜けていてふてぶてしい電気工事の綿貫健吾(内藤裕志)などが、やすやすと屋上の境界を超えはじめてドラマが動いていくという作劇も見応えがあった。やや暗転が多かったことと、空間がすこし広すぎるように感じた点は残念だった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ほとびる=水分を含んでふやけること。主宰の竹田モモコさんの出身地である高知県土佐清水市の方言・幡多(はた)弁が彼女の武器。ユニット名は「ばぶれる」=暴れる、「りぐる」=こだわる。

    とにかくセットが素晴らしい。隣接する二つのビルの屋上だけで成立させる話。ここまで精巧に作り込まなくてもいいのにと思う程の出来。上手のビルはやまか製麺、社長の石住昭彦氏。下手のビルはハナオカ食品、社長のや乃えいじ氏。や乃えいじ氏の会社は毎朝ラジオ体操を行なう社風。対する石住昭彦氏は「寝かせたうどんにクラシックを聴かせるのに邪魔だ!」と怒鳴りつける。毎日毎日この調子で喧嘩が始まる。憎しみ合う社長に合わせ、社員も隣会社の社員とは口を聞いてはいけない規則。

    東千紗都さんは華がある。
    竹田モモコさんは篠原ともえに似ている。
    MVPは高橋映美子さんかな。全く掴み所がないキャラ。一体何を仕出かすのかさっぱり判らない。
    海苔をまぶしたかりんとうとはどんなもの?

    ネタバレBOX

    やまか製麺の事務員、東千紗都さんは休憩時間に気分転換として屋上に上り双眼鏡で会社の周囲を見渡している。ハナオカ食品の工場作業員、竹田モモコさんも隣のビルで双眼鏡。二人は独り言を言っているテイで周囲の人間にバレないように会話して情報交換。やまか製麺では東千紗都さんの幼馴染であり社長の息子、窪田道聡氏が次期社長として会社に呼び戻されている。エアコンの不調を調べる為、やたら馴れ馴れしい電気工事士の内藤裕志氏が作業にやって来ている。ハナオカ食品の方は今日から新人が一人入った。この新人の高橋映美子さんが曲者で考え方や行動がイカれてる。

    前半は話の語り口が斬新で一体何処に着地するのか期待させる。後半は古典的な人情物に感じた。二人の社長の小学生時代から続く数十年もの友情物語と晩年の喧嘩による確執。早く仲直りすべきなのに頭が凝り固まった老人となった今ではもうどうしようもない。認知症という災いが二人の関係をほとびらかすメルヘン。石住昭彦氏とや乃えいじ氏の熱演に会場も唸る。文鳥の存在が効いている。

    窪田道聡氏と東千紗都さんが幼馴染というのに違和感。年齢設定がピンとこない。観客は石住昭彦氏がチョークで屋上に落書きをしているのを冒頭から何度も見せ付けられている。それなのに窪田道聡氏がこんなことをするのは隣の会社の人間しかいないと怒り狂うシーンが長過ぎる。だったら石住昭彦氏が描くシーンをラストまで隠しておいた方がいい。個人的には高橋映美子さんと内藤裕志氏というイカれたキャラ二人の活躍が思いもよらぬハッピーエンドへの道筋を作って欲しかった。
  • 実演鑑賞

    会場に入ると、やや古めかしいコンクリ製ビルの屋上がふたつ並んで建っている。立派な舞台美術だなぁと感心していたら(いわゆる「ビルの屋上」を表現するだけなら、もっと簡素な美術でも成立するので)、冒頭から「ああ、これがやりたかったのですね」と一発で伝わるシーンがあり、なるほどと膝を打ちました。ふたつのビルは、どちらも食品会社の社屋で、ひょいと飛び越えられるほど隣接しており、どうやら長い付き合いや因縁があるようだ。両社の社長は互いに啀み合っており、社員にも「隣の会社の人間と口を聞くな」と厳命されている模様。こうして両社の会社の社員たちは、隣同士ながら、歪なコミュニケーションを交わしつつ、物語は進行していく……。

    ネタバレBOX

    隣接するビルの屋上というワンシチュエーションで展開する王道の会話劇、という印象でした。劇中の言葉の大半は方言で、高知県の「幡多弁」だそうです。僕は方言芝居が大好物なので、知らない方言を聞く楽しさがありました。ユーモアを多く含んだ、市井の人々の日常を描いた会話劇なので、幅広い世代に受け入れられる作風だと感じます。序盤の、啀み合っている人間関係も含めて、人との絆や一緒に過ごした時間の大切さを実感する一作でした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/10/02 (金) 19:30

    110分。休憩なし。
    めちゃんこ面白かった!

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