七瀬 なつみ(ななせ・なつみ)1967年埼玉県生まれ。1990年の第9回オリーブ映画祭にて最優秀新人女優賞を受賞。映画、テレビなどの幅広い活躍を経て、現在は舞台を中心に活動している。
主な舞台出演は『お父さんの恋』『写楽考』『たとえば野に咲く花のように』など。
2006年に『屋上庭園/動員挿話』で第40回紀伊國屋演劇賞個人賞、第13回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。
| 多くの賞を受賞した作品の待望の再演 | ||
| インタビュアー |
『屋上庭園/動員挿話』の初演は約2年前。岸田國士の近代戯曲を現代演劇として鮮烈に再生したことが評価され、数々の演劇賞を受賞しました。 |
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2本の岸田戯曲を同じキャストと異なる演出家によって作るという、新しい試みでした。「もがいて苦しんで、手作りで作ったな~」と、今も強く感じていますね。演劇って稽古後の飲み会も楽しみながら作っていくものなんだけど、そんな余裕も全くなかった(笑)。 |
七瀬さん | |
| インタビュアー |
岸田國士というと、“演劇界の芥川賞”と称される岸田國士戯曲賞にも名を残す、日本を代表する劇作家です。活躍したのは大正・昭和期で、今回の2つの短編も大正末期と昭和初期に書かれたものですが、初演では題材の身近さだけでなく、新しささえ感じました。 |
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なぜか今の時代にとても響くセリフばかりなんですよね。あまりにも斬新でびっくりするぐらい。たとえば『動員挿話』も決して遠い昔の戦争の話ではないんです。私が演じる数代の「戦場に行くのがえらいなら、戦争に行かないことだってえらいはずよ、人を殺さなくて済むんですもの」というセリフとかね。戦争に行くのが美談だった時代に、こんなことを女性に言わせるなんてすごいと思います。 ![]() |
七瀬さん | |
| 2人の対照的な演出家 | ||
| インタビュアー |
『屋上庭園』は宮田慶子さん、『動員挿話』は深津篤史さんの演出ですね。同じ岸田戯曲でも全く違った味わいがあり、演劇の豊かな表現を堪能できた贅沢な公演でした。 |
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宮田さんは、戯曲に書かれている感情を細かく読み取って、分析していくようなお稽古をされるんです。たとえば、なぜここに「 、(読点)」があるのかをじっくり考えたり。セリフに隠されたヒントを見つけていく、とても面白いお稽古でした。 |
七瀬さん | |
| 身体の全てを使って感情を動かすこと | ||
| インタビュアー |
4人の出演者はキャラクターの全く異なる2役を演じられました。初演ではまるで登場人物その人が、舞台に生き生きと存在しているようだったと記憶しています。 |
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セリフのひとつひとつについて、自分の感情がちゃんと動いていることが大切です。お客様にどれだけ伝わるかは、それで決まると思います。だから、身体の全てを使って自分の感情を動かすこと。それを稽古場で見つけることが、私たち俳優のやるべきことだと思っています。 ![]() |
七瀬さん | |
| “七瀬っぽくない役”にチャレンジしたい | ||
| インタビュアー |
出会ってきた沢山の舞台の中で、特に心に残っている作品を教えてください。 |
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上演されていたら絶対に観に行って色んな体験をしたいのが、テネシー・ウィリアムズ作『欲望という名の電車』です。自分がステラ役で出演したのがきっかけでよく観るようになったのですが、毎回感じることが違ったり、キャストが変わるとこんなにも変わるんだって楽しめたり。私の中でちょっと特別な作品で、観るたびにもっともっとファンになっています。 |
七瀬さん | |
| インタビュアー |
これから舞台でやりたいことは? |
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今までやったことのない役にチャレンジできることが喜びですから、“七瀬っぽくない役”が来た時が嬉しいですよね。 |
七瀬さん | |
| インタビュアー |
『屋上庭園/動員挿話』再演には、七瀬さんが「このメンバーとでなければ受賞はなかった」とおっしゃる、初演と同じキャストがそろっています。地方公演も2ヶ所ありますね。鮮やかに今を映し出す演劇の魅力を、より多くの方に伝えてくださることと期待します。 |
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「我が家には1歳2ヶ月の子供と2歳半になる犬の、2人の息子がおりまして(笑)。あったかい日に広~い公園で2人が走り回って楽しそうにしている…それを見ている時でしょうか。」
「近代日本」はこんな「現代劇」になった。
~数々の演劇賞に輝いた珠玉の名作2本立て~
デパートの屋上で偶然再会した旧友の何気ない会話からドラマが生まれる『屋上庭園』と、日露戦争への出征を思い悩む夫婦の葛藤を描いた『動員挿話』。
近代演劇に新風を吹き込んだ岸田國士の短編2作を同時上演します。
作:岸田國士 演出:宮田慶子『屋上庭園』 / 深津篤史『動員挿話』
出演:七瀬なつみ / 神野三鈴 / 太田宏 / 遠藤好 / 小林隆 / 山路和弘
会場:新国立劇場 小劇場 THE PIT
問合せ:新国立劇場ボックスオフィス TEL: 03-5352-9999
公式サイト:新国立劇場
★チケット
一般発売日:2008年1月14日(月・祝)10:00~
全席指定(税込み)
一般\4,200 / Z席\1,500 /当日学生券:50%割引(Z席を除く)
会場:兵庫県立芸術文化センター 中ホール
問合せ:兵庫県立芸術文化センター チケットオフィスTEL:0798-68-0255
公式サイト:兵庫県立芸術文化センター
本インタビューは、池袋 シアターグリーンにて配布中のフリーペーパー
「グリーンペーパー2008年1月号」に掲載されています。
取材・文:高野しのぶ 撮影: 間瀬修 ヘアメイク:もみきさとみ









