馬渕 英俚可(まぶち・えりか)1979年香川県生まれ。テレビドラマ「白線流し」で脚光を浴びる。以後、話題性のある演出家の作品に数多く参加してきた。近年の作品に、映像ではテレビ東京「怨み屋本舗~家族の闇/モンスター・ファミリー」(2008年1月6日22:00~放送)に出演し、映画「クワイエットルームにようこそ」(松尾スズキ監督)が現在公開中。舞台では「魔界転生」(G2作・演出)、「錦繍」(ジョン・ケアード演出)、「オセロー」(蜷川幸雄演出)に出演し、劇団、本谷有希子では「乱暴と待機」で主役を演じ、今回2度目の出演となる。
| 劇団、本谷有希子に2度目の出演 | ||
| インタビュアー | 本谷有希子さんとは2005年4月の『乱暴と待機』(劇団、本谷有希子公演/於:新宿シアターモリエール)以来2度目のお仕事になりますね。 |
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『乱暴…』は精神的にも体力的にもとても大変だったんですが、面白かったし楽しい現場でした。何でもよろこんでやりますよ。あの作品については「よくぞ本谷は!」と思いましたね。ありがたい限りです。 |
馬渕さん | |
| 演出家・本谷有希子について | ||
| インタビュアー |
串田和美さん、いのうえひでのりさん、長塚圭史さん、栗山民也さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、ジョン・ケアードさん、蜷川幸雄さんなど(仕事年代順)、馬渕さんは日本で指折りの有名演出家とお仕事をされてきました。馬渕さんから見て、本谷さんはどんな演出家ですか? |
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細かい、しつこい、妥協しない、ですね。「うるさいっ」て思うぐらい(笑)。ダメ出しも多い! 幕が開くと舞台は役者のものになっていくというか、あまり口を出さない演出家もいるんですけど、彼女についてはそういうことが一切ないですね。あきらめないんです。「自分の作品を自分で守る」って思ってる。「これは自分の作品だ」という意識がすごく高い人だと思います。 |
馬渕さん | |
| インタビュアー |
演出家として尊敬してお付き合いされているんですね。 |
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それはもちろん! 私、やると決めたらまかせちゃう方なんです。「ここはもっとこうして」って言われたら「はい」って言って、やる(笑)。意味が理解できなくても、言われたようにやってみようかなって思います。やってみて発見することもあるじゃないですか。その時はわからなくても、後になってからわかることもいっぱいあるので。 |
馬渕さん | |
| インタビュアー |
本谷さんとだからこそ、できること・やりたいことは何でしょう? |
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大きい劇場じゃできないことをやりたいし、特に彼女は役者一人ひとりに対して、新しい一面を作ろうとまで考えている人なので、私もそれに乗っかっていけたらいいなと思います。 |
馬渕さん | |
| どれだけ嫌われるかが勝負 | ||
| インタビュアー |
『偏路』では、夢にやぶれて東京から田舎に帰省する女の子役ですね。 |
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本谷が「今までは悪意を書いてきたけど今回は善意を書きたい」って言ってて。登場人物は本当に善人ばかりで、私だけが悪人なんです。だから今回の私のテーマは嫌われること。共演者や観客にどれだけ嫌われるかが勝負だと思います。「すっげーヤなやつなんだな、馬渕って!」とか思われたい(笑)。悪なら悪、善なら善を、ほとんど1ミリ単位で積み重ねていくしかないんじゃないかな。やっててすごく楽しくないんですけどね(苦笑)。 ![]() |
馬渕さん | |
| 「こういう女優になりたい」と思った瞬間 | ||
| インタビュアー |
出会ってきた沢山の舞台の中で、特に心に残っている作品を教えてください。 |
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私は松尾スズキさんが好きで、19歳ぐらいの時に初めて観た大人計画の舞台が「ヘブンズサイン」という作品でした。池津祥子さんが片方の乳房をあらわにされて、全身包帯に巻かれて松葉杖をついて出てくるシーンがあって、すっごくかっこよかったんです。「演劇ってやっぱりかっこいい!」「こういう女優さんになりたい!」「こういう人がいる世界で生きたい!」って思いました。あこがれの作品ですね。 |
馬渕さん | |
| インタビュアー |
これから舞台でやりたいことは? |
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色んな人たちと色んなことをやりたいなと思います。とにかく自分にとって新しいこと、今までやってきてないことを、片っぱしからやりたい。役柄についてもそうですし、年齢によっても変わってくると思いますね。 |
馬渕さん | |
| インタビュアー |
きゃしゃで可憐な姿の裏側に、何事も恐れず自ら挑んでいく強い意志をお持ちなんですね。『偏路』では、また全く予想がつかないような、新しい馬渕さんにお会いできるのを楽しみにしています。 |
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「旅公演で大阪に宿泊した時に、最高級ホテルのレストランまで出向いて1人で朝ごはんを食べました。バイキングなのに1つ1つのお料理がちゃんと凝っていて、手を抜いた作品が1つもないんです。共演者の方に「誘ってくれたらよかったのに~」って言われたんだけど、1人で寂しく味わってるのが私っぽいかなって。“さみしいリッチ”みたいな(笑)。」
「お父さん、あのね、実は私、都落ちしたいの……!」今度の劇団、本谷有希子はまさかのホームドラマ!
戯曲『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は映画化され、『遭難。』で鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞。 小説『生きてるだけで、愛。』が芥川賞にノミネートされるなど、多方面から注目されている本谷有希子の最新作。
作・演出:本谷有希子
出演:近藤芳正/馬渕英俚可/池谷のぶえ/加藤啓/江口のりこ/吉本菜穂子
2007年12月14日(金)~23日(日)
【会場】紀伊國屋ホール(新宿)
【チケット】全席指定 前売5,000円/当日5,300円
【お問い合わせ】(株)ヴィレッヂ 03-5361-3027(平日12:00~19:00 )
劇団、本谷有希子公式サイト:http://www.motoyayukiko.com/

本インタビューは、池袋 シアターグリーンにて配布中のフリーペーパー「グリーンペーパー2007年12月号」に掲載されています。
取材・文:高野しのぶ 撮影:25Labo.(小原光二)








